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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻11号

1966年11月発行

文献概要

臨床実験

融像に関する研究(予報)

著者: 宮下忠男1 荒木保子1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科

ページ範囲:P.1421 - P.1425

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I.緒言
 両眼網膜に異なつた像がみえている時,この2つの像を同時に認識するのを同時視といい,両眼網膜の像が同じか或いは似たものである時,この2つの像が重ねあわされて1つの像として感覚されるのを融像という。融像が行なわれるには多くの要素,即ち眼位,輻較,開散,調節等のmoto—rischの要素と網膜,視神経及び更に高位の中枢によるところのsensorischの要素と,そしてこれらを連絡する機構とが関係するわけである。これらの多くの要素の各々について,種々の実験検査方法により多くの研究がなされて来た。輻榛,開散,調節等の実験にはハプロスコープが重要な役割を果して来たが,近年斜視,弱視の研究にはジノプチスコープ等の所謂major Amblyoscopeが盛んに利用されるようになつた。網膜部位と融像の関係には所謂ホロプテル器械や偏光等を利用して両眼の像を分けてみせる方法及び種々の深計覚計が考案されている。
 吾々は従来の方法に若干の改良を加えて実験を行ない網膜の周辺部融像と輻較開散の関係について検討を試みようとして,次に述べるような2つの方法を考案した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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