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臨床実験
角膜疾患に対するGlutathione点眼用の効果
著者: 山本由記雄1 富田美智子1
所属機関: 1都立駒込病院眼科
ページ範囲:P.1435 - P.1438
文献購入ページに移動I.緒言
Glutathioneが肝臓機能に重要な役日を果していることは衆知であるが,眼組織に肝臓以上に含有されている事実は,透明保持に重大な意味をもつものと解される。Herrmann&Mosesは水晶体皮質に388〜570mg/100gr,水晶体核64〜100,角膜上皮78〜178,角膜実質3〜7,網膜50〜180,毛様体21〜39とGSH量を測定したが,Schroeder&Woodwardの月刊蔵GSH量173と比較すると頗る多量のGSH量が眼球に含まれていることになる。小口,清水氏等はGSHの銅錯塩螢光法を工夫してその還元GSHに特異反応を利用し,眼球のGlutathioneを測定し,視束,水晶体皮質に極めて多く,角膜上皮下,毛様体透明上皮,水晶体核,網膜内層に次いで多くみとめられ角膜間質や強膜,有毛動物のブドウ膜にはみとめられないと発表し,角膜混濁には角膜上皮下のGSHが減少又は消失し,水晶体混濁時の減少あるいは消失と共に,本物質の透明組織への重要性を指摘し,角膜及び水晶体疾患に臨床実験を試みている。
私共はGSHの点眼液を使用する機会を得たので,角膜疾患についての効果を検討した。
Glutathioneが肝臓機能に重要な役日を果していることは衆知であるが,眼組織に肝臓以上に含有されている事実は,透明保持に重大な意味をもつものと解される。Herrmann&Mosesは水晶体皮質に388〜570mg/100gr,水晶体核64〜100,角膜上皮78〜178,角膜実質3〜7,網膜50〜180,毛様体21〜39とGSH量を測定したが,Schroeder&Woodwardの月刊蔵GSH量173と比較すると頗る多量のGSH量が眼球に含まれていることになる。小口,清水氏等はGSHの銅錯塩螢光法を工夫してその還元GSHに特異反応を利用し,眼球のGlutathioneを測定し,視束,水晶体皮質に極めて多く,角膜上皮下,毛様体透明上皮,水晶体核,網膜内層に次いで多くみとめられ角膜間質や強膜,有毛動物のブドウ膜にはみとめられないと発表し,角膜混濁には角膜上皮下のGSHが減少又は消失し,水晶体混濁時の減少あるいは消失と共に,本物質の透明組織への重要性を指摘し,角膜及び水晶体疾患に臨床実験を試みている。
私共はGSHの点眼液を使用する機会を得たので,角膜疾患についての効果を検討した。
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