icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻12号

1966年12月発行

文献概要

創刊20周年記念特集 眼科最近の進歩 綜説

トラコーマ

著者: 杉浦清治1

所属機関: 1北海道大学医学部眼科

ページ範囲:P.1495 - P.1502

文献購入ページに移動
I.はじめに
 トラコーマの研究には随分長い歴史があるが,1957年を境にこの研究は様相を全く一変した。それは周知のごとくT'ang1)らによつてその病原体が孵化鶏卵のYolk sacに分離されたからである。感染症の研究にあつては病原体分離の成功は一つの大きな峠を越えたことになる。果せるかな,トラコーマ病原体をめぐるウイルス学の研究は大河の堰を切つたような勢いで進み正に目をみはるものがあるが,トラコーマ病学はまだこれらの成果を駆使して,従来の難問を明らかにするところまでいつていない。つまりトラコーマウイルス学はかなり進歩したが,トラコーマ病学は未だこれからといつてもよかろう。以下述べるところも,主としてトラコーマウイルス学における進歩の概略を語ることになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?