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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻2号

1966年02月発行

文献概要

特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 〔学会講演〕

特発性網膜剥離眼の眼圧に関する臨床的観察—その1:網膜剥離眼の眼圧とその長期推移

著者: 吉岡久春1 遠藤泰彦1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科

ページ範囲:P.193 - P.201

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I.緒言
 特発性網膜剥離と眼圧の問題はすでに古くから色々論議され,且つ興味ある問題である。そして特発性網膜剥離では,眼圧は多くは低下すると教科書6)12)23)24)にも記載され,一般にこの眼圧低下が特発性網膜剥離の臨床的特徴である様に考えられているけれども,網膜剥離の眼圧は必ずしも全例低下するとはかぎらず,正常眼圧か,或は,稀れに,高眼圧を示すことがあることも事実である15)。このうち剥離眼で最も多く見られる眼圧下降の機転に就いても,未だ問題点が多く3),その上,この眼圧下降がいかなる臨床所見と関係があるのか,森寺氏の報告19)が詳しいが明らかでない。
 従来,網膜剥離眼眼圧に就いて報告されている成績を見ると,その網膜剥離の種類は比較的よく区別されているが,剥離網膜の復位が第1回の剥離手術で得られたか,再手術によつて得られたものか,たとえ第1回手術で網膜が完全復位しても,その前すでに他医にて剥離手術を受けたことがあるかどうか,又退院時眼圧を多くは術後眼圧として,術前眼圧と比較しているが,その退院時が術後何日目という明確な記載をしているものが少ない。更に,最近,網膜剥離手術も単なるヂアテルミー凝固法の外に,各種の術式が用いられつつある為,かかる剥離手術々式による差異等,全く考慮されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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