icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻4号

1966年04月発行

文献概要

特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会講演集

緑内障集団検診に関する研究—第2報飲水試験成績とトノグラフィーの比較

著者: 小野弘光1

所属機関: 1札幌鉄道病院眼科

ページ範囲:P.519 - P.523

文献購入ページに移動
I.緒言
 原発緑内障,特に単性緑内障の早期診断をする場合に用いられる検査法にはroutineの眼圧測定をはじめ眼圧日内変動,眼球圧迫試験,トノグラフィー,飲水試験,perilimbal suction cup法,暗室試験,定量視野検査等多くのものがあり,それぞれについての陽性率が多くの人々によつて検討され報告されている1)2)3)4)5)。しかしこれ等の諸検査法の本質的意義については,それぞれが緑内障のある種の性格をとらえているとしても,いまだ議論のあるところであつて緑内障の診断基準としてどの程度の評価を与えて良いものかという問題については不明確な点が多い3)。このような段階にあつて,検査法それぞれの意義を検討するために同一の集団を対象にして,いくつかの検査法を適用し,それぞれの成績の間にどのような関係があるかという点について検討することもなんらかの示唆を与えるものではなかろうかと考えられる。
 飲水試験及びトノグラフィーは,これ迄も緑内障診断のための基準あるいは参考として有用なるものとされているが,多数のものを対象にして両者の相互関係を検討した報告は私の調べ得た範囲ではみあたらない。昨年,長南と著者は40歳から55歳の国鉄職員502名に飲水試験を併用せるスクリーニングを行い,要精密検査者に対し第2次検査の1つとしてトノグラフィーを施行し,その成績の一部を昨年度の第69回日本眼科学会総会に於て発表した14)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?