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特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会講演集
飲水トノグラフィーに関する臨床的研究(第2報)
著者: 北沢克明1
所属機関: 1千葉大学医学部眼科
ページ範囲:P.527 - P.537
文献購入ページに移動I.緒言
原発性広隅角緑内障(Primary open-angleglaucoma)が,多くの場合極めて徐々に明確な自覚症状を伴わずに重篤な視機能の障碍をもたらす疾患であり,而も成人病の1つと見做し得る程高頻度で存在する事は1),衆知の事実である。従つて,原発性広隅角緑内障を少しでも早期に診断する事の重要性については今更云う迄もない。然しながら,原発性広隅角緑内障は,その病期の初期に於ては,しばしば眼圧の変動が著しく,いわゆる正常範囲の値を示す事がある事2),数年来緑内障診断の有力な手段として賞用されているトノグラフィーによる房水流出率(C値)も,その正常眼と緑内障眼とを分つ境界値は必ずしも明確ではなく3),早期診断の目的に完全に適つたものとは云えない事等の理由により原発性緑内障の早期診断は現状では極めて困難である。更に,早期診断の為に考案された種々の誘発試験にも各々得失があり,絶対的な信頼度を有するものが未だ存在せず早期診断を困難なものとしているのが現状であり,より信頼度の高い誘発試験(Provocativetest)の必要性が痛感されている処である。
原発性広隅角緑内障(Primary open-angleglaucoma)が,多くの場合極めて徐々に明確な自覚症状を伴わずに重篤な視機能の障碍をもたらす疾患であり,而も成人病の1つと見做し得る程高頻度で存在する事は1),衆知の事実である。従つて,原発性広隅角緑内障を少しでも早期に診断する事の重要性については今更云う迄もない。然しながら,原発性広隅角緑内障は,その病期の初期に於ては,しばしば眼圧の変動が著しく,いわゆる正常範囲の値を示す事がある事2),数年来緑内障診断の有力な手段として賞用されているトノグラフィーによる房水流出率(C値)も,その正常眼と緑内障眼とを分つ境界値は必ずしも明確ではなく3),早期診断の目的に完全に適つたものとは云えない事等の理由により原発性緑内障の早期診断は現状では極めて困難である。更に,早期診断の為に考案された種々の誘発試験にも各々得失があり,絶対的な信頼度を有するものが未だ存在せず早期診断を困難なものとしているのが現状であり,より信頼度の高い誘発試験(Provocativetest)の必要性が痛感されている処である。
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