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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻4号

1966年04月発行

文献概要

特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会講演集

水晶体螢光の消光と鉄錆症性白内障の関係

著者: 春田長三郎1 足立多恵子1 竹安晃一1

所属機関: 1大阪厚生年金病院眼科

ページ範囲:P.555 - P.558

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I.緒言
 鉄片の眼内残留に起因する鉄錆症は,直接性及び間接性鉄錆症の二つに大別される。一般的にいう鉄錆症とは,鉄分子が汎く眼組織に浸漬して起る間接性鉄錆症を指すので,その発症の機転から考えて,何等かの意味において吾々の医療の網目を洩れる事によつて起つて来るものである。
 従つて鉄片の飛入から鉄錆症の発症まで,継続的に観察したという症例は極く稀である1)。勿論比較的短時日内に起つた症例も報告されているが2)3),一般には数カ月乃至数年後に起つて来ることが多い。それ故鉄錆症には,鉄片の飛入から始まつてその発症まで,臨床的観察の空白部が存在し,これが鉄晴症の臨床を不正確なものにするが,この点は致し方の無いことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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