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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻4号

1966年04月発行

文献概要

特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 講演外

網膜膠腫と誤診した犬蛔虫幼虫(Toxocara canis)による眼内炎

著者: 吉岡久春1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科

ページ範囲:P.605 - P.610

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I.緒言
 人を終宿主としない他動物の寄生虫の幼虫が人の皮膚或は内臓に寄生して,障碍を与えるものに対して,Beaver et al.(1952)が移行性幼虫症(larva migrans)という名称を用い,そのうち,内臓に寄生して,感染初期に慢性のエオジノフィリー,主に小児に起こること,若干の肺病変を伴う肺のエオジン嗜好性肉芽病変及びToxo—cara canis et catiによつて起ること等を特徴とする症状を来すものを,特に内臓移行性幼虫症候群(visceral larva migrans syndrome)と呼んでいる3)4)
 このうち,眼球への幼虫感染は,1950年wilderの報告18)が最初である。氏は網膜偽膠腫46例を病理組織学的に検査し,その24例に線虫幼虫或はそのhyalin fragmentを,また残り22例にne—matode endophthalmitisに特有な組織反応を見出し,そして氏はこの幼虫を鈎虫幼虫と同定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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