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特集 第19回臨床眼科学会講演集(その4) 学会講演集
幼稚園児の視力について
著者: 湖崎克1 小山賢二1 柴田裕子1 三上千鶴1
所属機関: 1大阪市立小児保健センター
ページ範囲:P.661 - P.666
文献購入ページに移動小児に視力検査の重要なことはいうまでもありません。特に6歳以下の小児では,視覚発達過程途上にあり,その間に視覚障害因子があると,視力は健全な発達を遂げないものである。例えば,斜視,屈折異常,眼瞼下垂,角膜瘢痕,先天性白内障などの機能異常や器質異常等に,正しく措置を行つておくことは重要なことである。
屈折異常において,通常小児期で重視されているものに学校近視がある。これは,その頻度において重大な意味を持つているが,この場合,就学する6歳では既に視力は完成しており,その後に発生した近視においては,矯正視力の不足の例は皆無といつてよい。ところが,6歳までに屈折異常,殊に遠視や乱視があると,屈折性弱視と呼ぶべき状態になることは植村恭夫1)が指摘している。
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