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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻5号

1966年05月発行

臨床実験

視力に対する視標と視線とのなす角度の影響

著者: 進藤晋一1

所属機関: 1進藤眼科医院

ページ範囲:P.792 - P.797

文献概要

I.緒言
 学校保健における視力の問題は,生徒の眼の屈折状態,調節状態,読書距離,照明,教材の活字の大小,字劃,黒板に書かれる字の問題その他,眼科方面においてもつとも活発に議論されているところであるが,戦後,一般の生活環境の改善,生徒の食生活,体位の変化,眼科学会における仮性近視,弱視に対する研究の長足の進歩などに伴つて,戦前とは異る観点よりの研究が益々盛んになつた。
 大島氏1)らは視力を論ずる場合の基礎ともなるべき試視力表の改善に多くの業績を残しており,油井12)13),伊藤3)9).篠田5),樋渡氏10)らは,またそれぞれの角度から,視力というものに検討を加えている。しかし,同一距離において,被験者の視線と,視標のなす角度によつて生ずる対象の「見やすさ」「見にくさ」を論じたものは現在のところでは,樋渡氏が黒板に書かれた文字と座席の位置並びに視力との関係をアンケート式に統計,観察したものより他に,類似する研究はおこなわれていないようである。著者は,今回,被験者の視線と視標とのなす角度(一定距離)によつて視標がいかに見えにくくなるかを追求した。これは実用面にあつては,教室の机の配置,黒板面と生徒の座席との距離をはじめとし,黒板の形状などについての問題に資料を提供するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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