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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻5号

1966年05月発行

文献概要

臨床実験

翼状片に対するマイトマイシン点眼の効果

著者: 常岡昭1

所属機関: 1日本鋼管病院眼科

ページ範囲:P.811 - P.816

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I.緒言
 再発を繰返す事の多い眼疾患の中でも,外見上それと明らかに判るものの一つに,翼状片がある。本症に対しては従来,諸学者により,種々の手術法が発表せられて来たが,決定的と思える方法がなかつた。翼状片別出後の頭部の処置,片全体の剔出除去,結膜弁の後処置,縫合の良否,等々種々論議せられたが,仲々満足すべき成果が得られず,度々再発を重ねる症例があつた。然し,最近に至り,SR90 8)やβ線4)11),軟X線6)等による翼状片手術療法が試みられ,相当の効果をあげている。又Thio Tepa及びTespaminのリンゲル溶液を用いた例3)も報告せられている。著者が,これから解説せんとする方法は,一昨年日大の国友教授ら1)2)3)10)によつて発表せられた,マイトマシンCの点眼(以後マ点と略記する。)による方法である。これは抗腫瘍性物質であつて,従来,内服や注射法12)によつて,広く使用せられていたが,点眼法としては利用されていなかつた。この国友氏らの方法は,手術々式として,強膜露出法を用い,その後療法としてマ点を行なうのみで,操作が極めて簡単であることは,大病院ならずとも,一般開業医の諸先生が,外来で充分行ないうるわけである。そして本法が再発の極めて稀なことを確かめ得たので,これの解明を写真を用いて行なわんと試みたわけである。その効果と事実とは,正に一目瞭然である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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