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第1回眼・光学屈折学会
スリットランプ装置による水晶体曲率等の測定の一方法
著者: 中島章1 中川治平2
所属機関: 1順天堂大眼科 2オリンパス光学
ページ範囲:P.919 - P.923
文献購入ページに移動眼の屈折要素を知ることは,屈折異常殊に近視の成因,屈折異常の成立に及ぼす環境,遺伝,その他の要因の影響等の立入つた解明のために重要であるのみならず,臨床的にも意味のあることである。しかし,従来行なわれてきた方法は複雑なため,臨床的な測定が容易に行えなかつた。例えば吉本1)或いはSorsby2)等の方法では,角膜の曲率半径は角膜計で測り,前房の深さ,水晶体の厚さはスリットランプによるCross-Section写真から,水晶体の曲率半径は二つの点光源の反射像の間隔即ち,Purkinje-Sanson像の間隔を写真から測つて計算するものである。従つてこのような方法には各種装置が必要なこと,これに伴つて測定が煩雑になること,又計算式も角膜の曲率半径をもとに水晶体の曲率半径等を求めることから各要素を独立に求められない等多くの問題点が存在する。
ここにのべる方法は,スリットランプ装置だけ或いは簡単な装置をつけて,肉眼測定又は写真測定から各要素を殆んど独立に,しかも充分な精度でグラフからただちに読みとることができるもので臨床的な測定がきわめて容易に行なえるものであり,ソ連のDashevsky3)氏が屈折研究に応用した方法を改良したものである。
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