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医学と言葉の問題
著者: 弓削経一1
所属機関: 1京都府立医科大学眼科
ページ範囲:P.925 - P.927
文献購入ページに移動 どんなによい研究ができあがつても,それは発表せられなければ有効ではない。研究の発表には,言葉が必要である。したがつて,研究と,それを発表する言葉とは,おなじ程度に重要である。一般に,研究者は,研究には熱心であるが,言葉の問題には,ひどく無関心である。今,われわれは,日本の医学がこれから先,日本語でおしとおせるかどうかという問題に直面しているはずである。われわれは,医学と言葉の問題に,研究に対すると同様の関心をはらわねばならない。これは,もちろん,日本の文化と言葉という問題の1部ではあるが,われわれとしては,医学と言葉,あるいは,眼科学と言葉の範囲で考えてゆくのが,分相応という所であろう。
医学の中に,言葉の問題を考えねばならない理由は,つぎの2点にある。
医学の中に,言葉の問題を考えねばならない理由は,つぎの2点にある。
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