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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科20巻7号

1966年07月発行

文献概要

手術

絶対緑内障に対する減圧手術成績について

著者: 津田寅雄1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科

ページ範囲:P.1013 - P.1020

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I.緒言
 近年緑内障に対する診断的及び治療医学的分野に於ける進歩はめざましいものがある。特にトノグラフィー,隅角鏡検査及び種々の誘発試験等の発達によつて緑内障の予防医学的性格が強調され始めている現在に於ても,一般人の結核や成人病に対する知識に比較すると緑内障のそれははるかに劣つているのが実状である。事実私共眼科医が緑内障のため失明した患者に遭遇する機会は少なくない。就中,自覚的苦痛を有する絶対緑内障眼は眼科医の頭を痛める問題の一つである。
 絶対緑内障では眼球の緑内障性変化が高度となつているため,薬物治療,手術共に減圧効果が充分でないため,疼痛の激しいものに対してはとかく眼球摘出手術又は眼球内容除去術が考えられがちである。保存的手術を考えるとしても,絶対緑内障であるためその視機能に対する回復の望みは初めからないのであるから,手術の目的は減圧による自覚的苦痛の除去乃至軽減にあるのは勿論である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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