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第1回眼・光学屈折学会
アコモドメーターの使用経験
著者: 山地良一1 吉原正道1 小林紹泉1 石崎俊介1
所属機関: 1大阪医科大学眼科
ページ範囲:P.1257 - P.1262
文献購入ページに移動人眼の調節に関する研究は,古くから行なわれ,H.Schmidt-Rimpler1)は,1880年に,調節機能検査に際して,レンズ装用法による調節時間を測定している。わが国においても1929年に萩野氏2)が,はじめてソルントンシャッターに視標を貼布し,シャッターを開閉して視標に調節させつつ,その調節時間を視標視認のときに,測時計の電鍵を押す方法で調節時間測定を行なつている。その後,多くの研究者によつて,調節時間をもとにした人眼の調節機能測定法が行なわれてきたが,萩野,鈴村両氏3)は,1956年に,Dodgeの瞬間露出器と電子計数管を用いて,H-S式自記眼精疲労計を作製し,調節時間の測定をもとにして,種々な環境状態における調節検査を行ない,ことに眼精疲労の研究に用いて,多くの知見を発表しておられる。
一方,水川氏をはじめ真鍋,中林氏等4)は,従来の調節時間測定法の不充分な点を考究し,多年にわたつて,次々とアコモドメーターを試作し改良を続けられ,昨年阪大式Ⅱ型アコモデメーターを完成された。その優れた特性については,すでに,詳細な報告がなされているので,ここには,このⅡ型アコモドメーターを用いて行なつた使用経験について報告する。
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