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特集 第20回臨床眼科学会講演集(その1)
網膜細動脈硬化症のER
著者: 大沼侊子1
所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.143 - P.153
文献購入ページに移動I.緒言
ERGの臨床的応用は近年次第に広く行なわれるようになり,1945年Karpe1)が始めて発表して以来,非常に多数の研究報告がなされている。しかしこれらの研究は,主にa波およびb波を対象としたものであつたが,1954年に到りCobbおよびMorton2)が強い刺激光と速い掃引速度で得られるERGは多峰性を示すことをはじめて指摘し,このことを更にBornscheinおよびGoodman3)(1957年)が確認してからは,Heck4),Rendahl5),米村6)7),青木8)9)10)11),都築12)13)14)らの多くの研究者によつてその臨床的意義が認められて,律動様小波と特に命名され,それとともにERGの研究も又一段と前進したのは周知の事実である。
従来,臨床ERGの分野では,夜盲性疾患や糖尿病性網膜症等に就いての報告は数多いが,網膜細動脈硬化に関する研究は,Karpe15),Euziere,PassouantおよびCazaban16),Henks17)18)並びにその一派19)20)や,浅山21)22),都筑12),米村23)24),樋渡ら25)の報告がみられるのみで,細動脈硬化による網膜の循環障碍とERGとの関連を更に追求することは興味あるものと思われる。
ERGの臨床的応用は近年次第に広く行なわれるようになり,1945年Karpe1)が始めて発表して以来,非常に多数の研究報告がなされている。しかしこれらの研究は,主にa波およびb波を対象としたものであつたが,1954年に到りCobbおよびMorton2)が強い刺激光と速い掃引速度で得られるERGは多峰性を示すことをはじめて指摘し,このことを更にBornscheinおよびGoodman3)(1957年)が確認してからは,Heck4),Rendahl5),米村6)7),青木8)9)10)11),都築12)13)14)らの多くの研究者によつてその臨床的意義が認められて,律動様小波と特に命名され,それとともにERGの研究も又一段と前進したのは周知の事実である。
従来,臨床ERGの分野では,夜盲性疾患や糖尿病性網膜症等に就いての報告は数多いが,網膜細動脈硬化に関する研究は,Karpe15),Euziere,PassouantおよびCazaban16),Henks17)18)並びにその一派19)20)や,浅山21)22),都筑12),米村23)24),樋渡ら25)の報告がみられるのみで,細動脈硬化による網膜の循環障碍とERGとの関連を更に追求することは興味あるものと思われる。
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