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特集 第20回臨床眼科学会講演集(その1)
フルオレスツエインを用いての房水流出機能の測定—家兎眼における実験
著者: 荻野京太郎1
所属機関: 1昭和大学医学部眼科
ページ範囲:P.221 - P.229
文献購入ページに移動I.緒言
房水流出の研究の為にフルオレスツェイン(以下Fl)が使用されたのは,かなり以前からで歴史はかなり古い。近年に到りAmsler-Huber1)法として房水内に産生されたFLの螢光を利用して,その濃度を測定し,血液房水柵の機能を検査しようとする試みが行なわれているが,この方法も一長一短があり,未だ臨床的に使用されるに到つていない。臨床的に使用されている房水流出機能測定法として,一般に用いられている方法はTonography法,吸盤法等がある。然しこれらの方法も種々批判されている様に,Barany,Kinsey2)等により発表された,Jod-Isotopeを用いた実験の様に正確なものとは考えられない。当教室の吉川はFLを使用し,細隙燈顕微鏡を用いて,房水流出率の測定を試みたが,此の方法もさきに私供が指摘した様な欠陥があり臨床上応用は出来ない。私は,臨床的に応用し得る様な,房水流出率測定法の改良を試みた。
房水流出の研究の為にフルオレスツェイン(以下Fl)が使用されたのは,かなり以前からで歴史はかなり古い。近年に到りAmsler-Huber1)法として房水内に産生されたFLの螢光を利用して,その濃度を測定し,血液房水柵の機能を検査しようとする試みが行なわれているが,この方法も一長一短があり,未だ臨床的に使用されるに到つていない。臨床的に使用されている房水流出機能測定法として,一般に用いられている方法はTonography法,吸盤法等がある。然しこれらの方法も種々批判されている様に,Barany,Kinsey2)等により発表された,Jod-Isotopeを用いた実験の様に正確なものとは考えられない。当教室の吉川はFLを使用し,細隙燈顕微鏡を用いて,房水流出率の測定を試みたが,此の方法もさきに私供が指摘した様な欠陥があり臨床上応用は出来ない。私は,臨床的に応用し得る様な,房水流出率測定法の改良を試みた。
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