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特集 第20回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
いわゆるBrittle Diabetesにおける眼症状の検討
著者: 高久功1 勝瀬敏臣1 千葉美和子1 後藤由夫2 菊池仁2
所属機関: 1東北大学医学部眼科 2東北大学医学部山形内科
ページ範囲:P.309 - P.318
文献購入ページに移動糖尿病性網膜症の発症および進展に関し,糖尿病のコントロールの良否が如何なる意義を有するかについては,以前から種々の見解がある所であるが,近年,我々1)2)はじめ多くの研究者3)4)によつてコントロールの良否と網膜症の発症進展とは有意の関係があることが漸次明らかにされ,ほぼ一般に認められるに至つた。しかしこれらの事実は,多くは多効の症例についての統計的処理により得られたものであるため,個々の症例においては,これらの見解と一致しない経過をたどるものも少くなく,なお,種々の問題が残されている。
なかでも,いわゆるBrittle Diabetes (以下brt.D.と略す)においては,その血糖のコントロールが極めて不良であるにも拘わらず,その網膜合併症はじめ血管合併症は,少なくかつ軽度であるとの見解3)があり,本年日眼総会において,勝瀬2)がなした血糖の変動の極めて大なるものにおいて,網膜症の発生進展が大であるとする報告に対し,福田により見解をとわれた所である。我々はいわゆるbrt.D.においても罹患期間の関与が網膜症の発現と関係するとの見解をもつているが,事実,brt.D.における眼症状の分析を行つた報告例は,Alivisates等5)のそれを除いてほとんどない。
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