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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科21巻6号

1967年06月発行

文献概要

臨床実験

グルタチオン注による白内障の治療経験

著者: 関洲一1

所属機関: 1関眼科医院

ページ範囲:P.767 - P.771

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I.緒言
 水晶体はレンズとして,視器の中枢をなすもので,この役割の重要性については,今更論を得ぬ所であるが,成長した水晶体が血液栄養に依らず,房水と硝子体の間に在つて,透明を維持するため,特異な物質代謝を営んでいることは既定の事実である。
 近年,白内障の手術が進歩し,安全確実に行われ,良好な視力が期待出来るようになり,白内障手術の進歩は目醒しいものがあるが,しかし,老人性初発白内障から,手術適応となるまでの期間は長く,かつ,手術後に度の強い凸レンズの眼鏡をかけたり,または,コンタクトレンズの着装など,老人にとつては甚々都合の悪いことが多く,手術に対する恐怖は勿論,術後安静の苦痛など,老人にかかる負担は多大と言わなければならぬ。このため水晶体変性を初期において防止するため過去において,幾多の先人学者が沃度加里,ビタミンC,ビタミンB2などと色々の水晶体溷濁に対する薬物療法の研究が行われて来た。近時,萩原教授による,パロチンの使用により,水晶体老化防止に対する,薬物療法が発表され,これが刺激となり,白内障防止の為の薬物療法の研究が再び旺んとなり,次々と研究の成果が発表される様になつた。即ち米国よりのシネラリアの使用を藤山教授により,我が国にも紹介された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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