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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科21巻6号

1967年06月発行

文献概要

第20回臨眼グループディスカッション

近視

著者: 佐藤邇

所属機関:

ページ範囲:P.807 - P.810

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 41年11月12日9時より15時まで行われた。登録者は45名であつたが,その他の参加者が多く定員50名の座席では立つておられた方が沢山あつてお気の毒であつた。
 1席は秋山晃一郎氏(横浜市)で「近視発生機転における角膜曲率半径の意義について」話された。氏のC.L.患者の日米人の角膜曲率を測定した結果,米国人の方が日本人より大きい。屈折と角膜屈折力との相関も米国人の方が大きい。角膜の曲率は体格と関係がある。それ故体格を良くすれば,角膜曲率も大となり,近視を減弱させるのではないか?このことは全乱視と角膜乱視との相関からも考えられる。即ち水晶体が近視の発生に関係ありと考えられるが,日本人では水晶体の静的(非適応的)打ち消しの他に,角膜乱視を打ち消している動的の力が強いが,米国人では弱く,角膜の影響が大きい。目本人型の水晶体式を米国人型に変えればよい。これには食餌,スポーツその他で体格を良くする。これに対し保坂明郎氏(福島医大)は近視発生年令以前では角膜が関係するかも知れない。しかしDataはなく推測に過ぎない。スポーツはすべぎだ,と。山地良一氏(大阪医大)は近視の予防に生活環境,文字の改善は賛成であるが,同じレベルでスポーツで体格を良くすることは疑問である。体格を良くし角膜曲率を大としても,他の屈折要素が不変とは限らないからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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