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第20回臨眼グループディスカッション
角膜移植
著者: 桑原安治1
所属機関: 1慶大
ページ範囲:P.913 - P.918
文献購入ページに移動第1例は爆傷とアルカリ腐蝕により生じた角膜瘻に対して,受傷後442日目に5mm全層角膜移植を行なつたが,栄養障害などのため,移植片は壊死状態となり適合不全が起つた。そのため,65日目に7mm全層角膜移植を行い,瘻孔閉鎖に成功し,視力の改善をみた。第2例は同種全層角膜移植の約1年2月後に,移植片の一部にirido-corneal-circulationのため移植片が吸収され瘻孔形成,虹彩脱出を来した。これに対し,5mm自家表層角膜移植を行い,瘻孔は閉鎖し,視力の改善をみた。角膜瘻に対する治療的角膜移植においては,受容眼角膜の瘻孔の位置,大きさ,病変の状態,性質により,移植片の大きさ,形を決定することが必要である。また第2例の如く症例によつては表層角膜移植で十分である。
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