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綜説
臨床ERGの進歩
著者: 倉知与志1 米村大蔵1
所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.937 - P.944
文献購入ページに移動I.人眼ERG概説
あまり強くない光で誘起されるERG成分として,a,b,c (Einthoven,Jolly1)1908)およびa波(Day2)1915)が古くから知られている。人眼ではa波およびb波の記録は容易であるが,c波およびd波の観察は可能ではあるが,瞬目や眼球運動などのために,毎常成功するとはかぎらない。Granit3,4)によると,ERGは,PI (緩徐な陽性成分),PII (陽性成分)およびPIII (陰性成分)に分解され,これらはそれぞれa,b,cおよびd波の構成にあずかるという(第1図)。ただし,Brown36)の考えではGranitのPIIはb波と直流的成分(d.c成分)とから成立つているという。
本川と三田5)(1942)は,棘状陽性成分(x波)を新たに見出した(第2図)。同様な棘波は,Adrian6)7)(1945,46)によつても,ヒトおよび2,3の動物に再確認され,明所視過程であろうと推定された。
あまり強くない光で誘起されるERG成分として,a,b,c (Einthoven,Jolly1)1908)およびa波(Day2)1915)が古くから知られている。人眼ではa波およびb波の記録は容易であるが,c波およびd波の観察は可能ではあるが,瞬目や眼球運動などのために,毎常成功するとはかぎらない。Granit3,4)によると,ERGは,PI (緩徐な陽性成分),PII (陽性成分)およびPIII (陰性成分)に分解され,これらはそれぞれa,b,cおよびd波の構成にあずかるという(第1図)。ただし,Brown36)の考えではGranitのPIIはb波と直流的成分(d.c成分)とから成立つているという。
本川と三田5)(1942)は,棘状陽性成分(x波)を新たに見出した(第2図)。同様な棘波は,Adrian6)7)(1945,46)によつても,ヒトおよび2,3の動物に再確認され,明所視過程であろうと推定された。
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