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臨床実験
瞳孔緊張症の自験6症例から見た本症の問題点
著者: 鬼木信乃夫1 向野和雄1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.951 - P.955
文献購入ページに移動I.緒言
瞳孔緊張症の存在は1812年Ware1)の報告に始まるが,19世紀までは反射性瞳孔強直症(ArgyllRobertson)瞳孔の一異型であると信じられていた。1921年Behr2)が瞳孔緊張症はArgyllRobertson瞳孔とは区別すべきことを強調した。1931年Adieが本症に腱反射消失を伴うことが多いことを強調し,後年本症はAdie氏症候群として,世に広く知られてきた。したがつて瞳孔緊張症とAdie氏症候群(瞳孔緊張症+腱反射消失)とはまつたく同じものであつて,Adie氏症候群とは瞳孔緊張症の一型にすぎないわけである。にもかかわらず,両者が全く異なつたclini—cal entityと考えられている。私達はこの論文において自験の6症例を介して瞳孔緊張症の問題点を論じていきたい。
瞳孔緊張症の存在は1812年Ware1)の報告に始まるが,19世紀までは反射性瞳孔強直症(ArgyllRobertson)瞳孔の一異型であると信じられていた。1921年Behr2)が瞳孔緊張症はArgyllRobertson瞳孔とは区別すべきことを強調した。1931年Adieが本症に腱反射消失を伴うことが多いことを強調し,後年本症はAdie氏症候群として,世に広く知られてきた。したがつて瞳孔緊張症とAdie氏症候群(瞳孔緊張症+腱反射消失)とはまつたく同じものであつて,Adie氏症候群とは瞳孔緊張症の一型にすぎないわけである。にもかかわらず,両者が全く異なつたclini—cal entityと考えられている。私達はこの論文において自験の6症例を介して瞳孔緊張症の問題点を論じていきたい。
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