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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科21巻8号

1967年08月発行

文献概要

手術

網膜剥離手術におけるGelfilmの使用

著者: 塚原勇1 稲富みさと2

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.969 - P.971

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I.緒言
 Gelfilmは,米国Upjohn社で創成された吸収性ゼラチンフィルム(absorbable gelatinefilm)である。Gelfilmの厚さは約0.075mm,眼科用ゼルフィルム(Ophthalmic Gelfilm)は25×50mmの大きさのものが滅菌され,滅菌紙の中に密封され,さらに封筒のような小さな紙袋の中に密封されてある。乾燥状態では同じ厚さのセロファンと同様な外観であるが,水に湿らせるとやわらかくなり粘着性をおびてくる。Gelfilmは非抗原性で,生体に用いた場合に起こる反応性炎症はきわめて軽微である。組織間に挿入すると,挿入された組織とfilmの大きさによつて異なるが,1〜6カ月で吸収され,その間その部位の相隣りする組織間の癒着を遅延させる。
 米国その他の国ではかなり以前から眼の手術に応用された報告があるが,わが国でも最近植村1),生井2)両氏によるGelfilmの紹介がある。話は旧聞に属するが,1958年,私がサンフランシスコでPischel氏の網膜剥離の手術を見せてもらつた時に,Pischel氏は手術部の鞏膜と周囲組織との癒着を防いで再手術を容易にする目的でさかんにPischelを用いていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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