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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科21巻8号

1967年08月発行

文献概要

印象記

第71回日本眼科学会総会(2)

著者: 石川哲1 松井瑞夫2 奥田観士3 桑島治三郎4 百々隆夫5

所属機関: 1東京大学 2日本大学 3岡山大学 4東北大学 5京都府立医科大学

ページ範囲:P.1013 - P.1021

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 第1日の疲れのためか,または,電気生理学関係の演題がずらりと並んでいるせいか,会場の聴衆は誠に少なく,私が顔見知りの先生だけがちらほら来ておられるといつた状態で講演が始まつた。私が受け持つた9題の中には全体的な印象として非常に聞きごたえのあるもの,あるいはなぜこういう研究をしているのだろうと疑問を持つたものなどがあつたが,私自身も過去の発表の中で聞いていてわかりにくいなどとお叱りを印象記の中で賜つた経験もあるので,今回は御発表の諸先生方から当然批判されることを覚悟の上でこの印象記を引き受けることにした。
 第80席内田氏(京大)は最近cryotherapyが,白内障,網膜剥離などに盛んに行なわれているが,それがどのような影響を網膜および視路に与えるであろうかということが,氏によつてなされた。結論的にはERGではc,a,b波の順に振幅に変動が現われるが,一方視覚誘発電位(VER)の方は変化が出なかつたとのことである。臨床的にもcryotherapyがどのような影響を視覚系に与えるかは非常に重要な問題である。私の意見として,なぜ変化がC波から始まるのか,またどうしてVERには変化が出ないのだろうかという面が最も知りたいし,同時にいろいろ条件を変えてcryoretinopexyを行なつた時の電気的反応と組織学との対比が知りたい。今後ぜひとも追求していただきたいと思う。(なお本演題は討論なし)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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