文献詳細
臨床実験
文献概要
I.緒言
眼精疲労(以下As)を訴える患者は,近年増加しており,これに対する研究も多く,眼科的機能検査の徹底の他に,全身的検索,環境の調査も重視され,心身症の立場より誘因としての心的機制の関与の探求の必要が説かれており,その分類も書き変えられつつある。しかしながら私どものような末端のクリニックにおいては,多効のAs患者に対し上記諸検索を徹底的に行なうことは不可能に近い。私どもはAs患者に,暗室検査,問診屈折,調節近点,眼位,眼圧などの検査を行なつているに過ぎないが,底辺の臨床の実態を明らかにするのも無意義ではないと信じ,私どもの方法で神経性,調節性,筋性Asと分類した症例に対し,ATP (アデノシン三燐酸)腸溶錠(アデボスコーワ腸溶錠)を単独投与し,いささか知見を得るとともに,文献的にその薬効について考察し,かつAsに関する諸学説とATPとの関連についても考察したので,あわせ報告する。
眼精疲労(以下As)を訴える患者は,近年増加しており,これに対する研究も多く,眼科的機能検査の徹底の他に,全身的検索,環境の調査も重視され,心身症の立場より誘因としての心的機制の関与の探求の必要が説かれており,その分類も書き変えられつつある。しかしながら私どものような末端のクリニックにおいては,多効のAs患者に対し上記諸検索を徹底的に行なうことは不可能に近い。私どもはAs患者に,暗室検査,問診屈折,調節近点,眼位,眼圧などの検査を行なつているに過ぎないが,底辺の臨床の実態を明らかにするのも無意義ではないと信じ,私どもの方法で神経性,調節性,筋性Asと分類した症例に対し,ATP (アデノシン三燐酸)腸溶錠(アデボスコーワ腸溶錠)を単独投与し,いささか知見を得るとともに,文献的にその薬効について考察し,かつAsに関する諸学説とATPとの関連についても考察したので,あわせ報告する。
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