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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻1号

1968年01月発行

臨床実験

内眼筋麻痺,Adie症候群に対する縮瞳剤の影響

著者: 山崎篤巳1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.43 - P.50

文献概要

I.緒言
 最近,抗コリンエステラーゼ系統の種々の点眼薬が,臨床面にて使われるようになつてきており,調節性内斜視をこれらの点眼薬にて治療する方法1)や老視の治療に使う試み2)も報告されている。抗コリンエステラーゼ剤(以下抗CE剤と略)の点眼薬が,虹彩筋のみならず毛様筋の攣縮作用によつて,縮瞳とともに調節に影響を及ぼすことに注目して,散瞳および調節障害をきたす疾患--すなわち内眼筋麻痺2例,Adie症候群5例のうち調節障害を認めたもの2例につき,これらの点眼薬を試み,縮瞳とともに調節障害の改善をみることができた。
 今日までAdie症候群にmecholyl点眼することによつて,調節障害が改善されたという片野,紫3)らの報告はあるが,抗CE剤を使つた報告はない。また毛様筋麻痺によりAC/A ratioが高くなるという報告はあるが4〜6)Adie症候群についてのAC/A ratioは,Morgan7)の1例報告をみるのみである。著者は内眼筋麻痺,Adie症候群について抗CE剤点眼前後のAC/A ratioを測定して若干の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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