文献詳細
文献概要
臨床実験
Diamox静注の緑内障眼房水動態に及ぼす影響について—特に原発広隅角緑内障およびステロイド高眼圧について
著者: 北沢克明1
所属機関: 1千葉大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.67 - P.71
文献購入ページに移動Diarnox (Acetazolamide)が各種緑内障治療上有効な薬剤であることは衆知の事実である。Diamoxの眼圧下降機序として,その炭酸脱水素酵素阻害作用による房水産生の抑制が眼圧下降を結果することがBeckerらにより唱えられ,その後多くの研究者の支持するところとなり現在に至つている1)2)。
皮質ステロイド点眼による高眼圧については近年多くの報告により,その原発広隅角緑内障との類似性が指摘されてきたが3)4),一方,高眼圧発生に際して房水産生の増加が重要な役割を演ずること5)6),あるいは飲水試験特に飲水トノグラフィーの結果などから両者の相違点を重視する者もあり7),ステロイド高眼圧を即原発広隅角緑内障のmodelとすることには異論のあるところである。この点において,正常眼および原発緑内障眼で房水産生抑制により眼圧下降をきたすDiamoxがステロイド高眼圧眼にいかに作用するかは興味ある問題と思われる。
掲載誌情報