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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻10号

1968年10月発行

文献概要

第21回臨眼グループディスカッション

遺伝性眼疾患特に網膜色素変性(第3回)

著者: 青木平八1

所属機関: 1群馬大

ページ範囲:P.1321 - P.1325

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1.視神経萎縮の統計,おもに遺伝学的考察
 1959年,1964年の2度にわたり盲学校児童生徒の失明原因を調査した結果,失明者は減少しているが,視神経萎縮は相対的な増加の傾向を示した。性比では中毒外傷によるものが4以上,先天性のものは1.8から1.6,原因不明のものは2.5となり,盲児童全体の1.5から1.4より高率である。未熟児頻度は先天性散発例が18%となり,日本の平均より高い。近親婚頻度では同胞例,その他の親戚例で特に女子に高率で,遺伝形式の推定では,親罹患例の子らの分離比から優性遺伝を仮定してみたが有意性は得られず,同胞例105例中,男子のみ罹患している43例につき伴性劣性遺伝を仮定し,これを満足した。男女罹患例では,同様の分離から常染色体劣性の仮定を満足せず,女子のみの羅患例では同様の仮定を満足した。
 親戚例については家系図より,伴性劣性推定40%,劣性推定59%,不明2%となつた。以上から視神経萎縮においては,伴性劣性遺伝のみならず,常染色体劣性遺伝もかなり多いこと,未熟児頻度の高い散発例では,遺伝以外の因子の介入が推察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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