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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻11号

1968年11月発行

文献概要

臨床実験

外眼筋の組織化学的電子顕微鏡学的研究—II.筋線維型の微細構造

著者: 箕田健生1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1389 - P.1395

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I.はじめに
 著者は前報において外眼筋の筋線維型に関する組織化学的研究を報告したが,本報では筋線維型に関する電子顕微鏡学的研究について述べることにする。
 1961年,Hess1)はモルモットの外眼筋を電顕下で観察し,内部構造が異なる2種類の筋線維が存在することを始めて報告した。すなわち第1型筋線維は横断切片で観察すると,筋細胞内の個々の筋原線維束(Myofibril)が明瞭で,周辺を筋小胞体が規則正しく取り囲んでいて,隣接する筋原線維束とは判然と区分されている。このような内部構造はKrügerが骨格筋線維で,光学顕微鏡下で認めたFibrillenstruktur型筋線維に一致するものであつた(前報参照)。また縦断切片で第1型筋線維は,やはり明瞭に区分された筋原線維束を示し,かつZ板は規則正しく筋長軸に垂直方向にまつすぐ走つている。一方,第2型筋線維では筋小胞体の発達が悪く,個々の筋原線維束の境界が不明瞭で,隣接する筋原線維束と互いに連続して見える。また,Z板は不規則でジグザクの走行をとる。そしてこのような内部構造は,KrügerのFelderstruktur型筋線維のそれに一致する。さらにHessは,以上述べた2型の筋線維の微細構造はカエル,ニワトリの骨格筋で見出された2型の筋線維すなわちtwitch fiberとslow fiberの微細構造の特徴にほとんど正確に一致すると述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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