文献詳細
臨床実験
文献概要
I.はじめに
Electroretinodynamographyは1963年Wul—fingにより紹介された。すなわちBailliartOphthalmodynamometerを用いて眼球を加圧しながら同時にERGを記録する方法で,彼は頸動脈疾患においては,眼底血圧測定より臨床的に意義があるとした。われわれは彼のテクニックを用いてERDGを試みたが,Bailliart眼底血圧計を強膜に置き,関電極を角膜上に置くと,電極をできるだけ小さくしても,強膜面を加圧すると,角膜上の電極が浮き上り,角膜と電極との接触が不完全となると,またBailliart眼底血圧計で一定圧を一定時間正確に加えることは不可能で,いささかの加圧計の動きも,ERGの記録に大きなArtifactsを生ぜしめ,臨床的に信頼しうるデータを得られなかつた。
考うるに,これら操作上の困難が,Wulfingに続く報告を生まなかつたのではないかと思われる。そこでわれわれはsuction-cup typeの電極を発案した。Perilimbalにこの電極を設置し,Fig.1のごとき装置に接続する。まず注射筒を吸引することによりコンタクトレンズと角膜面との間に生食水を満たした。これは銀線を角膜面へよく電気的に接触させるためと,眼底血圧を直接このレンズをのぞきながら測定可能にするためである。
Electroretinodynamographyは1963年Wul—fingにより紹介された。すなわちBailliartOphthalmodynamometerを用いて眼球を加圧しながら同時にERGを記録する方法で,彼は頸動脈疾患においては,眼底血圧測定より臨床的に意義があるとした。われわれは彼のテクニックを用いてERDGを試みたが,Bailliart眼底血圧計を強膜に置き,関電極を角膜上に置くと,電極をできるだけ小さくしても,強膜面を加圧すると,角膜上の電極が浮き上り,角膜と電極との接触が不完全となると,またBailliart眼底血圧計で一定圧を一定時間正確に加えることは不可能で,いささかの加圧計の動きも,ERGの記録に大きなArtifactsを生ぜしめ,臨床的に信頼しうるデータを得られなかつた。
考うるに,これら操作上の困難が,Wulfingに続く報告を生まなかつたのではないかと思われる。そこでわれわれはsuction-cup typeの電極を発案した。Perilimbalにこの電極を設置し,Fig.1のごとき装置に接続する。まず注射筒を吸引することによりコンタクトレンズと角膜面との間に生食水を満たした。これは銀線を角膜面へよく電気的に接触させるためと,眼底血圧を直接このレンズをのぞきながら測定可能にするためである。
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