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特集 第21回臨床眼科学会講演集(その1)
トキソプラスマ症の実験的研究—Ⅰ.疫学調査
著者: 大川親正1
所属機関: 1三重県立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.129 - P.134
文献購入ページに移動Ⅰ.緒言
1900年にtoxoplasma gondiiが発見されて以来多くの人たちの研究により,こんにちではそれがひろく人・獣・鳥に寄生し,種々の疾患を惹起しうることが明らかにされ,わが国においても,1954年に宮川1)が脳水腫患者の髄液から,トキソプラスマ(以下Tpと略記)原虫を発見したのを嚆矢とし,その後研究が進められ,先天性疾患として,1)全身感染型,2)脳脊髄炎型,3)後遺症型,また後天性疾患として,1)全身感染型,2)内臓型,3)リンパ腺炎型,4)網脈絡膜炎型など種々の疾患の病原体となり,この中でも中枢神経系の一部である網脈絡膜疾患において高い発生頻度がみられている。
わが教室でもこのたび眼科領域におけるTp症の研究を手がけるにあたり,その基礎段階として色素試験(以下DTと略記)と血球凝集反応(以下HAと略記)とにより疫学的調査を行なつた。一部はすでに三木ら2)が報告したが,さらに2対象群の調査を行なつたので,ここに一括して報告する。
1900年にtoxoplasma gondiiが発見されて以来多くの人たちの研究により,こんにちではそれがひろく人・獣・鳥に寄生し,種々の疾患を惹起しうることが明らかにされ,わが国においても,1954年に宮川1)が脳水腫患者の髄液から,トキソプラスマ(以下Tpと略記)原虫を発見したのを嚆矢とし,その後研究が進められ,先天性疾患として,1)全身感染型,2)脳脊髄炎型,3)後遺症型,また後天性疾患として,1)全身感染型,2)内臓型,3)リンパ腺炎型,4)網脈絡膜炎型など種々の疾患の病原体となり,この中でも中枢神経系の一部である網脈絡膜疾患において高い発生頻度がみられている。
わが教室でもこのたび眼科領域におけるTp症の研究を手がけるにあたり,その基礎段階として色素試験(以下DTと略記)と血球凝集反応(以下HAと略記)とにより疫学的調査を行なつた。一部はすでに三木ら2)が報告したが,さらに2対象群の調査を行なつたので,ここに一括して報告する。
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