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特集 第21回臨床眼科学会講演集(その1)
螢光眼底撮影法による初期欝血乳頭の鑑別について
著者: 茂木劼1 小林啓子1 山上磐1 竹内一夫2
所属機関: 1虎の門病院眼科 2虎の病院脳神経外科
ページ範囲:P.201 - P.209
文献購入ページに移動眼科において,欝血乳頭と診断されたために,脳腫瘍が発見されることは,しばしば経験するところであるが,最近,脳神経外科の発達に伴い,偽視神経炎を欝血乳頭と診断して,脳外科に紹介されてくる症例や,原田氏病初期眼底の乳頭像を,欝血乳頭と診断したために,脳腫瘍を疑われて,その治療を行なわんとした症例があることをときおり見聞する。これはその眼底像の鑑別が,初期においてやや困難なためであるかもしれない。
螢光眼底撮影法による初期欝血乳頭の鑑別については,すでに1965年Miller1)らによつて試みられているが,今回,われわれは,以前,虎の門病院において,初発病変として欝血乳頭様の眼底像を呈したために,脳腫瘍を疑われた原田氏病の症例(第1,2例)を紹介し,さらに螢光眼底撮影法がこれらの鑑別にある程度役立つのではないかと考え,2〜3の疾患に応用してみたので,欝血乳頭の鑑別のさいにおける螢光眼底撮影法の価値について述べたいと思う。
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