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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻4号

1968年04月発行

文献概要

特集 第21回臨床眼科学会講演集(その3)

未熟児網膜症の光凝固による治療

著者: 永田誠1 小林裕2 福田潤2 末包慶太3

所属機関: 1天理病院眼科 2天理病院小児科 3天理病院麻酔科

ページ範囲:P.419 - P.427

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I.緒言
 未熟児網膜症はTerryが1942年未熟児の水晶体後方に血管を伴う組織増殖を起こす疾患の存在を最初に報告して以来,欧米において急速に増加し,1952年頃より,これが未熟児に対する酸素使用に関係あることが次第に確認され,さらにKin—seyらの広範な統計的研究の結果,酸素供給の制限によつて明らかにその発症率が激減することが認められてからいちじるしくその発生数を減じて今日に至つている。しかしその後もなお少数ながら未熟児に本症の発生が見られていることはZachariasが早くから警告しているところであり,わが国においては植村らが本症の発生がけつして稀なものでないことを1964年以来繰返し強調している。わが国においては,病院未熟児室の設備近代化が比較的近年のことに属し,本症に関する小児科医,眼科医の知識が従来ともすれば概念的なものに過ぎぬうらみがあつた。植村らの具体的経験に基づく警告によつて,ようやく本症に関する関心が高まりつつある現状とはいえ本症発生の素地はむしろ昔にくらべて高くなつているのではないかと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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