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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻4号

1968年04月発行

文献概要

特集 第21回臨床眼科学会講演集(その3)

斜視の手術時視能矯正について

著者: 筒井純1 渡辺冴子1 本多暢子1 深井小久子1 藤井弘子1

所属機関: 1岡山労災病院眼科

ページ範囲:P.481 - P.487

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I.緒言
 斜視の手術時視能矯正とはsurgical orthop—tics (手術的視能矯正)とでもいおうか。手術すなわち外眼筋の移動による視能矯正効果をより的確にするために術中両眼視機能の計測と誘発を行ないながら手術を進める方法である。視能矯正法を大別すると手術的方法と非手術的すなわち訓練的視能矯正法がある。手術的方法としては従来から行なわれている斜視手術がこれに相当するが,術中両眼視機能の変化がほとんど実測されておらず視能矯正という点では,やや物足りない感じがあつた。
 手術的視能矯正法の特色としては従来種々の量定法があるが必ずしも常に眼球を良い位置にすることができない。しかしこの方法では術中に眼位をsynoptophoreでたびたび計測するために任意の位置に眼位を調節することが可能で誤差は2°以内である。そして筋移動によつて起こる両眼視機能の変化が手術終了時にわかつているので術後の視能矯正に入りやすい。また手術後の視能矯正に不合理な手術結果を作ることがさけられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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