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特集 第21回臨床眼科学会講演集(その3)
視力の発達加速現象
著者: 大江謙一1
所属機関: 1大蔵省印刷局小田原病院
ページ範囲:P.519 - P.521
文献購入ページに移動1935年Koch, E.W.が人間の発達速度は世代を新たにするにつれ促進されていくという事実を明示した。この人間の身体の成長,成熟の過程の変移,すなわち発達速度の増加を発達加速現象と呼んでいる。発達加速現象は成長成熟という人間の身体発育のすべてを含むいろいろの側面に現われ,単なる個別現象ではない。これまでに身長,体重の増加の加速,歯牙発生の前傾,初潮年齢の前傾などが報告されている。
筆者は本年,保育園児約2,200名の視力測定を行ない,その成績を5年前の保育園児と比較し,平均視力の増強が認められた。これは視力における発達加速現象であろうと思われるので報告するしだいである。
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