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臨床実験
Cyclopentolateの臨床
著者: 百瀬皓12 井上潤一12
所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室 2桐生厚生総合病院眼科
ページ範囲:P.569 - P.577
文献購入ページに移動1952年,Treves & Testa1)がarylacetic acidとalkyl, aminoalkylおよびN-piperidinoalkylのesterである一連の化合物を合成し,そのうちphenylacetic acidとaminoalkylのesterの3つ,彼らがCompound 75G.T., 92G.T., 93G.T.と名付けた下記のごとき構造をもつ化合物は,その後いずれもatropine様の散瞳,調節麻痺作用があることが報告された。
引続きこの3つの化合物の作用については多くの研究2〜8)10)が行なわれ,このいずれもがshort—acting cycloplegicsとして有用であるが,そのうちでも現在cyclopentolateと呼ばれ,Cy—clogylの商品名で,米国において市販されている75G.T.が最も短い,しかし十分深い調節麻痺作用をもち,かつほとんど無刺激で,調節麻痺作用時間の長いatropineやhomatropineに代つて屈折検査によりよく利用できることが知られた。
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