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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻5号

1968年05月発行

文献概要

特集 第21回臨床眼科学会講演集(その4)

各種薬物治療における眼圧日内変動の重要性

著者: 丹羽康祐1 三宅勝1

所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.599 - P.614

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I.緒言
 近年緑内障に対して,全身的または局所的な治療薬が開発され,その効果はみるべきものがあるが,どの症例にはどの薬物が最も有効であり,しかもこれがどの部面を改善するのかを知つた上で用うべきである。また長期の薬物療法では,はじめのうちは有効であつても,後には効果が薄らぎ,ときにはまつたく効果がなくなつてくることもあるので,経過を観察するとともに常に治療薬の効果いかんということを念頭において管理に当るべきものと思う。
 むろん,各症例で最も有効であり最もよい治療薬というのは,眼底所見をはじめとして,視力,視野,眼圧,調節,角膜知覚などあらゆる所見を改善し,かつこれを持続させるものであることはいうまでもないが,諸検査の中でどの検査に重点を置き,その成績から有効性いかんを判断したならば最も信頼性があり最も確実であるかにつき,数年にわたり検討してきたところ,これにはこんにちのところ,眼圧の日内変動を仔細に検査することが第一で,これにtonographyを参考として行なうことが,最もよいとの結論に達したので,緑内障の群討議でもこれについて強調したのであるが,今回は症例を挙げて,詳細に報告し,大方のご批判を乞うしだいである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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