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特集 第21回臨床眼科学会講演集(その4)
眼窩,眼球に発生したrhabdomyosarcoma
著者: 高安晃1 内田洋人1 貴島陸博1 園田康治1 原田一道1 柊山緑1
所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.616 - P.626
文献購入ページに移動外国では眼科領域rhabdomyosarcomaは比較的多くみられるきわめて悪性な腫瘍とされているが,わが国においてはきわめて稀有で昭和32年までに2例であつたが,最近は小児の悪性腫瘍として白血病やneuroblastomaについで本腫瘍も注目されてきたが昭和33,38年に各1例,41年2例,42年2例,計8例が報告されたにすぎない。各例ともほとんど眼窩に発生したものであるが大塚(1958)は上眼瞼に原発したものを報告した。しかし眼窩および特に眼球に発生したものは内外文献にいまだ報告をみないがたまたま本例は9歳の男子でその急速な腫瘍の発育経過と,最初眼窩蜂窩織炎の状態で発生し眼球摘出を行ない,後から眼窩内容除去を行なつたが,術後2カ月余,発病後約6カ月で死亡した症例である。眼部ならびに各臓器の組織学的所見から種々考案した点を述べて諸賢のご批判を乞うしだいである。
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