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特集 第21回臨床眼科学会講演集(その4)
人眼眼圧の副腎皮質ステロイド反応性(steroid responsiveness)について
著者: 北沢克明1 川西恭子1 中村泰久1
所属機関: 1千葉大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.793 - P.804
文献購入ページに移動副腎皮質ステロイドの局所使用により正常および緑内障眼においてしばしば眼圧上昇が惹起されることは周知の事実である。近年,その眼圧上昇の程度が原発広隅角緑内障ときわめて密接な関係にある遺伝的素因により決定されることがBec—ker, Armalyにより報告されたが,その遺伝形成についてはまだ意見の一致をみていない1)〜5)。また,皮質ステロイドによる眼圧上昇機序についても房水流出抵抗の増加が大きな役割を演ずる場合の多いことは疑いがないが,ステロイドによる房水産生量の変動がステロイド高眼圧発生の上で果たす役割についてはなお議論のあるところである6)〜9)。
このように,ステロイドによる眼圧上昇は近年眼科領域への強力なステロイド製剤の導入と相俟つてきわめて重大な問題であるにもかかわらず,その昇圧機序あるいは昇圧の程度を決定する遺伝的素因についてなお解明さるべき点が多く残されている。
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