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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻6号

1968年06月発行

文献概要

臨床実験

網膜剥離治癒眼の遠隔成績

著者: 中森文之1 本多繁昭2 藤野亨2 豊増典子2 原潤一郎2

所属機関: 1小倉記念病院眼科 2長崎大学医学部限科学教室

ページ範囲:P.845 - P.853

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I.緒言
 網膜剥離の治療成績に関する内外の文献は多く,診療におけるいちじるしい進歩により,高い治癒率を示している。また網膜剥離患者は最近増加の傾向1)を示し,難治な悪性度の強い症例に対しても,今後,新しい治療法の改良,および導入と適応,選択により,さらに良い治癒率が期待できる可能性を予想させる。
 網膜剥離の治癒が,剥離網膜の解剖学的な復位であることは周知のことであり,これが帰着するところであるが,さらに復位治癒眼の機能改善を促進する手段が,今後の課題となつてくる。症例によりさまざまであるが,治癒眼の機能がかなり回復することは,眼科臨床家により指摘されており,近年,機能回復について考察した報告が行なわれてきた。Brockhurst2)は,網膜剥離眼の復位と視力の予後について言及しているが,この問題とあいまつて,ますます術後治癒眼における復位状態の長期観察の重要性が提起されてくる。このような長期観察は実現困難なことが多いが,永久的な復位治癒を確認しえて,初めて真の意味の網膜剥離の治癒といえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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