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第21回臨眼グループディスカッション
医原性疾患
著者: 神鳥文雄
所属機関:
ページ範囲:P.883 - P.887
文献購入ページに移動1.「アンチピリン」中毒による小疱性角膜炎の1例
75歳,女,脳出血,左半身不随で入院加療中39℃前後の不明熱を生じ,50%メチロン1.0cc 2筒,25%メチロン1.0cc 2筒を5日間にわたり注射したところ,突然全身状態の悪化をきたし,いわゆるショック症状を呈した。眼部は,眼瞼腫脹,結膜充血のほか,大小不同の水疱形成を多数両眼角膜に認めた。右眼は特にひどく一部びらん状であつた。抗生物質,副賢皮質ホルモン,ビタミンB2剤の注射,内服およびタチオン点眼により数週間後には完全治癒をみた。
根来(京都医大):患者の既応,および病歴から考えまして,多分アンチピリン中毒によるものと考えられますが,アレルゲン・テストを行なつてみましたか。薬剤はハプテンであるため,従来のpatch testやscratchtestでは陽性率が非常に低いようですが,skin-windowtechniqueによりますと,陽性率が高くて,診断的に非常に価値があると思います(方法,J.Allergy,38;156,1966参照)。従来,開口部びらん性外胚葉症,Stevens—Johnsohn氏病と呼ばれていた,皮膚粘膜眼症候群の中に薬物アレルギーによつて起こされているものをときどき経験しますから,これらの疾患の場合,既往歴や現病歴をよく聞いて必要に応じて疑わしきものについて,アレルゲン・テストを行なつてみることが大切です。
75歳,女,脳出血,左半身不随で入院加療中39℃前後の不明熱を生じ,50%メチロン1.0cc 2筒,25%メチロン1.0cc 2筒を5日間にわたり注射したところ,突然全身状態の悪化をきたし,いわゆるショック症状を呈した。眼部は,眼瞼腫脹,結膜充血のほか,大小不同の水疱形成を多数両眼角膜に認めた。右眼は特にひどく一部びらん状であつた。抗生物質,副賢皮質ホルモン,ビタミンB2剤の注射,内服およびタチオン点眼により数週間後には完全治癒をみた。
根来(京都医大):患者の既応,および病歴から考えまして,多分アンチピリン中毒によるものと考えられますが,アレルゲン・テストを行なつてみましたか。薬剤はハプテンであるため,従来のpatch testやscratchtestでは陽性率が非常に低いようですが,skin-windowtechniqueによりますと,陽性率が高くて,診断的に非常に価値があると思います(方法,J.Allergy,38;156,1966参照)。従来,開口部びらん性外胚葉症,Stevens—Johnsohn氏病と呼ばれていた,皮膚粘膜眼症候群の中に薬物アレルギーによつて起こされているものをときどき経験しますから,これらの疾患の場合,既往歴や現病歴をよく聞いて必要に応じて疑わしきものについて,アレルゲン・テストを行なつてみることが大切です。
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