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眼・光学学会
弱視における眼屈折状態に関する研究—第1報不同視弱視について
著者: 神谷貞義1 西岡啓介1 西信元嗣1 秋吉聰子2
所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室 2大阪視力研究所
ページ範囲:P.901 - P.907
文献購入ページに移動これまで眼屈折度に関する研究は,一眼ずつを単位として行なわれてきた。しかし,人間の眼は,両眼において眼底に映じた像をたがいに重ね合わせてsingle visionを行なうものである。この場合,当然のこととして,それらの機能は,調節と輻湊のバランスの上に行なわれているものである。この事実に着目して,眼屈折度もまた人間が単一人を行なう上の一要素であることを考えた時に,両眼の眼屈折度は,それぞれ独立したものではなく,たがいに関連して,相補的役割を果している以上,ある人の両眼の屈折度を一つのペアーとして考え,それに伴う眼位の異常,斜視あるいは弱視の発現も,同時に考慮に入れるべきである。こうした見解に立つた時には,これまでの眼屈折度に関しての文献からは,われわれの希望する資料を発見することができないことがわかつた。
そこで2年半前から,従来の資料は役だたないものとして,みずから資料を求めるほかはないとの結果に達して本研究を始め,今日迄(40年5月から42年10月迄)に12,623名の患者について詳細な観察を行なうことができた。
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