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臨床実験
緑内障の手術時期決定について—特に視野変化を中心として
著者: 中村千春1 北沢克明1
所属機関: 1千葉大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1053 - P.1060
文献購入ページに移動I.緒言
緑内障が,その薬物療法によつて眼圧のコントロールが不良であるとき,または薬物治療で眼圧がコントロールされているにもかかわらず視野変化が進行する場合には,外科的手術を行なうのが原則である。しかし,手術が円滑に行なわれたにもかかわらず,手術侵襲を契機として視野の増悪が生じうる場合もあると言われているが,なお異論がないわけではない。このような手術を契機とする視野の増悪が,術前視野変化が高度である症例に起こるとその意味は重大である。したがつて視野狭窄が極度に高度である場合は手術の非適応であるとする説も生じてくる。かかる手術による視野の増悪が,どのような条件下で,どのような頻度で生じるかを知ることは,薬物治療より転じて手術時期を決定するにあたり,きわめて有意義であると考えられる。今回われわれは,この点について術前視野,視力,視神経乳頭所見,眼圧などを中心に検討を加えたので,ここに報告する。
緑内障が,その薬物療法によつて眼圧のコントロールが不良であるとき,または薬物治療で眼圧がコントロールされているにもかかわらず視野変化が進行する場合には,外科的手術を行なうのが原則である。しかし,手術が円滑に行なわれたにもかかわらず,手術侵襲を契機として視野の増悪が生じうる場合もあると言われているが,なお異論がないわけではない。このような手術を契機とする視野の増悪が,術前視野変化が高度である症例に起こるとその意味は重大である。したがつて視野狭窄が極度に高度である場合は手術の非適応であるとする説も生じてくる。かかる手術による視野の増悪が,どのような条件下で,どのような頻度で生じるかを知ることは,薬物治療より転じて手術時期を決定するにあたり,きわめて有意義であると考えられる。今回われわれは,この点について術前視野,視力,視神経乳頭所見,眼圧などを中心に検討を加えたので,ここに報告する。
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