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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科22巻9号

1968年09月発行

文献概要

臨床実験

外眼筋の組織化学的,電子顕微鏡学的研究—I.筋線維型の組織化学

著者: 箕田健生1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1198 - P.1202

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I.緒言
 外眼筋の形態に関しては従来,解剖学的,組織学的に詳細な研究が行なわれているが,最近めざましく発展した組織化学的および電子顕微鏡学的研究手段がこの領域にも応用されるようになつて,外眼筋の微細構造に関する新知見が次々と報告されるようになつた。著者は数年来,外眼筋の組織化学的,電子顕微鏡学的研究を続け,すでにその一部は内外眼科誌上に報告したが,今回は未発表の知見を中心に外眼筋の微細構造を詳述することにしたい。
 哺乳類外眼筋の筋線維が,組織学的に少なくとも2種類存在するのではないかという疑問は,1931年Woollardによつて初めて提起された1)。彼は兎,猫,犬の外眼筋に大小2種の筋線維が存在し,太い筋線維は単一の運動終板になつて終わる普通の有髄神経によつて支配され,一方細い筋線維は複数の爪状終末を形成する繊細な有髄または無髄の神経によつて支配されていると報告した。しかし同年Hinesは兎の外眼筋神経終末を観察した結果,骨格筋に通常見られる運動終板のみならず,筋線維の長軸に沿つて多数の球状または水滴状の終末を形成する細い有髄神経が存在することを認めたが,この終末(grape-like endings)の機能は運動性よりもむしろ知覚性終末であろうと推論し,Woollardの筋線維支配二型説には否定的立場をとつた2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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