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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻1号

1969年01月発行

文献概要

臨床実験

外眼筋の組織化学的電子顕微鏡学的研究—III.外眼筋におけるRod-like Structures

著者: 箕田健生1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.107 - P.116

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I.はじめに
 1963年Shy et al.1)は先天性,非進行性のミオパチー症状を示した4歳の少女の骨格筋biopsy標本において,従来文献に記載されたことのない異常な杆状または糸状の小体--rod-like struc—tures (以下rodsと省略する)--が多数,筋線維内に存在することを発見した。電子顕微鏡で観察すると,このrodsは長軸に垂直方向に約145Åの周期性を持つて整然と配列するfilamentから成り立つていることが認められ,rodsがtropomyosinなどに似た一種の筋収縮蛋白を含有していることが推論された。Shy et al.はこのような臨床的には先天性,非進行性ミオパチー症状を示し,筋線維にrodsが見られる疾患を新しい一つの独立した疾患であるとして,これをnemaline myopathy (糸状筋症)と名づけた。その後,nemaline myopathyの報告があいつぎ2)〜9),またAfifi et al.5),Price et al.6)の研究によつてrodsが筋線維のZ線が局所的に異常な肥厚増殖を起こすことによつて形成されたものであることが明らかになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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