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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻10号

1969年10月発行

文献概要

臨床実験

Lincomycinの眼内移行に関する研究I—Lincomycinの局所使用について

著者: 今井正雄1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1175 - P.1182

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I.緒言
 Lincomycin (以下LCM)は1962年,米国Upjohn社によつて開発された新しい抗生剤で,新放線菌Streptomyces lincolnensis var.lin—colnensisの培養濾液より得られた塩基性の抗生物質である。白色の結晶で水に易溶,メタノールおよびエタノールに可溶で,分子式はC18H34N2O6S・HClH2O,分子量は約461である。
 本剤はMacrolidesと同様,蛋白合成阻害剤であるが,Macrolidesのように構造式中に巨大な環状ラクトン構造をもたない点で,これと区別されている。しかしその抗菌スペクトルはグラム陽性菌に限られていること,Macrolides系抗生剤に高度耐性のブドウ球菌は,LCMに対しても高度耐性であることなどにより,Macrolides類似の抗生剤と考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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