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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻11号

1969年11月発行

文献概要

臨床実験

第1次硝子体過形成遺残

著者: 植村恭夫1 田村秀子1 清水興一2

所属機関: 1国立小児病院眼科 2国立小児病院研究検査科

ページ範囲:P.1317 - P.1323

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I.緒言
 第1次硝子体過形成遺残persistent hyperpl—astic primary vitreous (PHV)は,硝子体の先天異常の一つであり,水晶体後部線維増殖症,網膜芽細胞腫などとの臨床的鑑別が困難なことが多く,眼球摘出による組織学的検索の結果より本症であることが明らかとされる例が少なくない。本症に,水晶体の変化(白内障,自然吸収など)が随伴することはよく知られており,この場合,単に,通常の先天白内障として取り扱われている例もみられる。本症とretinal dysplasia, congeni—tal retinal foldとの関連も,先天眼異常の研究の上では,真に興味ある問題である。また臨床的には本症は進行性のもので,緑内障などの合併症を伴いやすいので,最近,早期発見早期手術の提唱されている新生児,乳児眼疾の一つである。今回著者らは,その2症例について手術を施行し,摘出標本につき,その病理組織学的検索を行なつたので,それを含めてその結果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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