文献詳細
特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
臭化ジスチグミンによる眼筋型筋無力症の治験例および基礎的実験
著者: 持田祐宏1 野中富夫1 小野和子1 長谷川一郎1
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.145 - P.156
文献概要
Mary Walkerが,1935年,さらにEvertsがphy—sostigminを使用してから,本症の薬物治療が開始され,以来DFP, OMPA, TEPP, Tensilon, Mestinon etc種々のanticholinestelase剤が開発され,本症の薬物治療面に利用されてぎた。しかし,これらの一群の薬物には一長一短があり,その増量は副作用の発現となり,治療薬としてけつして良好なものとはいえない。かくして効果が低量にて,かつ安定持続し,副作用の発現が少ない薬物の出現が待たれる。
今回,オーストリー窒素化学工業株式会社にて合成された臭化ジスチグミン(ウブレチド)を入手したので,本剤の治療効果ならびに基礎的実験について検討した。
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