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特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
Pseudoexfoliation of the Lens Capsuleについて
著者: 調枝寛治1
所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.205 - P.211
文献購入ページに移動pseudoexfoliation of the lens capsule (Dvorak—Theobald)1)は,1917年にLindberg2)が慢性緑内障眼の50%に灰色または青灰色のflecksが瞳孔縁にみられたと記載したのを初めとし,1925年にVogt3)が詳細な記載をした前眼部変状で,緑内障を伴う頻度が高いところから注目されるに至つた。本症には地域差があつて,欧米においてはきわめて多数の臨床的ならびに組織学的な記載報告をみるが,本症の本態,発生および緑内障との関連性については,なお議論の一致を見ない現況にある。わが国においては,和田4)(1926)の報告を初めとして十数氏5)〜17)の報告をみるが,比較的少ないようである。しかし注意深く観察すれば,けつしてまれなものではない。
私は昭和38年1月から43年6月までの5年6カ月間に,本症の22人(29眼)を観察したので,症例を総括して追加報告する。
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